投資

会社の持株会の「奨励金」を使った裏ワザ【積立てせず短期で売る】

会社の持株会は短期で売る
当ブログは、第三者配信の広告サービスを利用しています。

この記事の結論は、

会社の持株会に「奨励金」の制度があるなら、短期間で売っていくことを前提に活用するのはアリ!

です。例えば「10%の奨励金をもらえる会社で、半年ごとに売却」するならば、その投資効率はインデックス投資に勝る可能性があります。


 

どうも、ホク太です。あなたがもしサラリーマンで、勤め先に持株会の制度があるなら、大抵は奨励金(=会社側が上乗せしてくれる出資金)がもらえるはずです。その場合、長期間コツコツ積立てるだけでは、リスクにリターンが見合っていない可能性があります。

私は入社当時から、持株会でなんとなく毎月1,000円をコツコツ積立てていました。

しかし今では、「奨励金」を活用して、元手の約90万円をぐるぐる回しながら、年に14万円程度の利益を見込めるようにしています。期待できる利回りは、およそ16.6%です

ホク太
ホク太
個別株なのでリスクも高いですが、高い利回りを考えると、ちゃんと投資先の候補になります。

持株会にまつわるリスク

代表的なリスクは4つです。

  • 会社の業績が悪いと、給料と資産の両方にダメージを受ける
  • 購入するタイミングを選べない
  • 現金化するまで時間がかかる
  • 株主優待が無い

特に1番目の「給料&資産への同時期ダメージ」は、個人的には無視できない部分です。

持株会の規定の例

持株会の規定は会社ごとに違います。例として私の勤め先の規定を書きます。

  • 月10万円まで購入できる
  • ボーナスごとに30万円まで購入できる
  • 会社から、購入額の10%の奨励金が上乗せ
  • 毎月、申請すれば単元株ごとに個人の証券口座に移管できる

そもそも持株会制度を導入する会社の目的は、従業員に自社株を長期保有してもらうことによる「安定株主の確保」です。また、会社の業績UP⇒株価UPにつながることから、勤労意欲の向上にもなります。

しかし、ちょっと投資の勉強をしている従業員からすると、

  • 奨励金は元本に対して一度きり⇒長期で積み立てて保有する旨みが薄い
  • 「勤務先と投資先が同じ」というリスクを避けたい

という感じで、魅力が弱くなっています。

利回りや投資効率の検証

例1. 5年間積み立てる場合

仮に私の会社の条件で、5年間積み立ててから売却したときの利回り(複利)は、

複利利回り=(1+リターン)^(1/運用年数)-1なので、

[1+0.135]^(1/5年)-1≒2.56%

なお、コストゼロ、株価一定、配当利回り2%、譲渡益0%、奨励金への課税20%で考えています。

ホク太
ホク太
この利回りの低さにはメリットを感じません。

リターンの計算には、金融庁の資産運用シミュレーションを使いました。仮に手出しで月10万積み立てるとすると、会社から0.8万円分の上乗せがあります(奨励金10%、課税20%)。

月10.8万円を利回り2%で5年間積み立てたとき、最終積立金額は約681万となりました。よってリターンは

(681万-600万)/600万=0.135

例2. 短期間で売っていく場合

短期間で売るとして、1年ごと半年ごとの2パターンで考えてみます。この場合の利回り(複利)は、

1年ごとの売却:[1+0.1×(1-0.2)]^(1/1年)-1=8%

半年ごとの売却:[1+0.1×(1-0.2)]^(1/0.5年)-1=16.6%

この場合は、コストゼロ、株価一定(⇒譲渡益もゼロ)、配当ゼロ、奨励金への課税20%、単元未満分は無視しています。

ここで、投資効率(シャープレシオ)を考えます。

ホク太
ホク太
投資効率は「リターン/リスク」で計算できる指標です。この値が大きいほど、優れた投資先だと判断できます。

仮に全世界株のインデックス投資を、非課税枠で長期運用したとします。利回りを7%、リスクを20%だとすると、投資効率は 7÷20=0.35です。

また、国内の個別株のリスクを35%[*1]とします(老舗の大企業をイメージしています)。この時の投資効率は、

1年ごとの売却:8%÷35%≒0.23

半年ごとの売却:16.6%÷35%≒0.47

となります。インデックス投資のリスクの結果と合わせると、投資効率の順序はこうなります。

1年ごとに売却<インデックス<半年ごとに売却

したがって、奨励金10%の場合、半年ごとに売っていけば、インデックス投資よりも旨みがありそうです。

[*1] 厳密には、積み立てている最中でのリスクはもっと低くなります。

投資効率と売却スパンとの関係

例1と例2をふまえて、投資効率と売却スパン(運用年数)との関係をグラフにしてみます。

投資効率=[(1+リターン)^(1/運用年数)-1]/リスク

で表せます。この記事ではインデックス投資の投資効率を0.35と定めたので、この値よりも大きければ「旨みアリ」な投資方法です。

奨励金が10%の場合

このとき、以下のような関係となります。

投資効率と売却スパンとの関係(奨励金10%の場合)
ホク太
ホク太
インデックス投資と同等の投資効率を出すには、8か月に一度の売却が必要です。

奨励金が5%の場合

5%だと、以下のような関係となります。

 

投資効率と売却スパンとの関係(奨励金5%の場合)

奨励金が半分になると、投資効率もおよそ半分になります。

ホク太
ホク太
インデックス投資と同等の投資効率を出すには、4か月に一度の売却が必要です。

上限額まで買って、半年ごとに売る場合を考えます

私の会社のように奨励金10%の場合、8か月以内に売っていけばよいことが分かりました。

これをふまえ、半年のサイクルで、「月10万円×6か月、ボーナスで30万円購入」した直後に売ってみます。拘束される元本は10万×6か月+30万=90万円になります。年間の利益としては、

90万円×利回り16.6%=14.9万円

となります。

私の場合、2か月に一回の売却も可能ですが…

勤め先の株は、20万円あれば売り買いできる銘柄です。最短で2か月に一回は移管⇒売却でき、拘束される元本も減らせます。しかし、

  • 頻繁な移管手続きは手間である
  • 会社からの印象が悪くなる(かも)

というデメリットが生じます。

ホク太
ホク太
バランス感覚が大事ですね。

会社側からすると「歓迎されない行為」である点には注意

持株会を利用する社員に対して、会社としては数年~数十年、株を保有することを期待しているでしょう。もしも短期で売却する社員がどんどん増えると、会社が何らかの制約を設けたり、持株会自体を廃止するかもしれません。

持株会の奨励金の原資は、従業員が仕事で稼いだ利益です。

ホク太
ホク太
ひっそり儲けさせてもらう代わりに、仕事でそれ以上の成果を出して、会社に還元していきましょう。